一音

『怪談』には胡弓だけで、数分間ほど一音だけが続く場面があるんです(第1話「黒髪」のラストシーン)。一音しかないのにものすごい強さなんですよね。いまでも自分でなにかを作るときには常にそのことを考えます。

あれは究極だと思うんですよ。回転を落とした琵琶のビィーンっていう音。あれも一音じゃないですか。一発の音だけで映画音楽としてものすごい効果を生み出している。そのように極端に切り詰められたなかで、強い表現力を出すというのは映画の音楽を書くときの課題だといつも思っています。ただ、並の映画であれをやると音楽のほうが強すぎる。ああいう音を入れられるような映画なんてそうざらにあるものじゃないと思います。

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